治らない心の風邪うつ

始めて精神科のドアをくぐってから早いものでもう12年と半年になる。当時、うつ病とはよく聞く言葉ではあったけれども今ほど市民権を得ている感じではなかった気がする。まさか自分が精神科にかかり、うつ病だと診断されるなんて夢にも思っていなかった。

35歳の夏だった。その頃は毎日何かわからないけど四六時中悲しくて、自分ではコントロールできないほど泣いてばかりいた。心配してオロオロするばかりの母に、精神科に連れて行った方がいいと助言したのは母の友人だった。そう言われてもまだ精神科に行くことが正しい選択なのかわからないでいた。優しそうな先生がその時何を言ってくれたのか全く覚えてはいない。医院の隣の調剤薬局で袋いっぱいのお薬をもらって帰ったのはかすかに覚えている。この薬を飲めばもしかしたら楽な気持ちになれるかもしれない。そう思う一心で処方された通り真面目に薬を飲み続けた。中でも飲めばすぐに眠くなる睡眠導入剤は何よりもありがたかった。起きていたくなかった。ずっと眠っていたかった。何もする気が起きず誰にも会いたくなかった。その気持ちを優先させた結果、仕事はできなくなった。そしてあっという間に経済的に追い詰められた。そこから始まった長い負のスパイラル。生活苦に悩まされうつ病は快方に向かうはずもなく、焦る気持ちが余計に

心の負担となり、どんどん薬の量は増えていく。うつ病は心の風邪だと病院のポスターに書いてあったけど、こんなに長い間治らない風邪があるんだろうか。このまま先生を信じて、このまま薬を飲み続けていつか治る日が来るんだろうか。信じたりあきらめたりを繰り返しながら昨日と変わらない今日や明日を生きている。せめて目覚めたときにお天気がよかったらほんの少しだけ幸せ。明日は晴れますように。

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